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角張渉(カクバリズム) × 増田 "takeyan" 岳哉 (SUMMIT)
INTERVIEW


イルリメこと鴨田潤とTraks BoysのCrystal、K404によるポップ・バンド(((さらうんど)))が今年3月に発表した初作『(((さらうんど)))』は瑞々しいバンド・フィーリングと、メンバー各人が愛するポップ音楽への造詣を湛えた快作。今回は6月15日に控えた代官山UNITでのリリース・パーティーを記念して鴨田潤、K404、そしてアルバムに参加したアチコ(Ropesやon button downなどのバンドでボーカルを務める。本作ではコーラス/ボーカルを担当)、カシーフ(横浜の音楽集団Pan Pacific Playaに所属するギタリスト。本作ではギター/ベースを担当)を加えた4名による座談会、もしくは反省会……もとい部室トークを敢行。アルバムの成り立ちからメンバーのヒエラルキー問題まで、ざっくばらんに語ってもらった。
(取材:高橋圭太、写真:寺沢美遊、取材場所:ヒマヲイキル)



Q. すでにいろいろな媒体で取材はされてると思うので、今回は重箱の隅をつつくようなというか、アルバム制作の後日談、もしくは反省会みたいな雰囲気で話をしていただければなと思ってます。あと、カシーフさんは今回が初めてのインタビューなんですよね?

カシーフ「35年間生きてきて初のインタビューですね」

アチコ「本当? 意外だなぁ」

鴨田「だから今日一番乗りなんだ(カシーフ氏はインタビュー開始の15分前に到着)!」

カシーフ「失礼の無いようにと……」

Q. なので、カシーフさんにもたくさん喋ってもらおうかなと。まずはみなさんにアルバムが完成しての所感から伺いましょうか。

鴨田「これまで自分の音楽を聴いてなかった層にもしっかり届いてるという実感はあります」

K404「俺は……気付いたら完成してたからなぁ」

Q. ハハハ!

K404「でも、やっぱり反応はすごくいいよね。“こういう作品を待ってたよ”って言われることもすごく多くて。これで鴨田さんへの評価がまた上がったなって……」

Q. フフフ。なんかトゲがありますねぇ。

鴨田「またそうやって……。今回ジャケットも素晴らしくて、音とうまくハマったからとっつきやすかったのかな」



Q. 大原大次郎氏のデザインですね。これに関しては(((さらうんど)))側からディレクションがあったんですか?

鴨田「SF感とリゾート感があるものにしてもらいたいというのは伝えましたね。最初は女性の写真を使うっていう予定だったんだけど、最終的にはこのデザインに落ち着いて」

Q. なるほど。アルバム発表後にクリスタルさんが(((さらうんど)))のホームページにアップした全曲解説では楽曲の元ネタやインスピレーションの源泉が語られてます。そういった引用はほかにもありますか?

鴨田「なんかあるかな? あ、西村ツチカさん(漫画家。鴨田氏の著作『てんてんこまちが瞬かん速』の表紙も担当している)が書いたイベントのフライヤー(青山蜂で開催された『あの日のようにささやいて』というDJイベントのもの)が好きで、それに影響されて歌詞にサイキックな要素を加えたのもあったんだった。でも俺はそれくらいかな。トラックの元ネタに関しても、あの全曲解説を読んで初めて知ったくらいで。『あぁ、クリスタルはこんなこと考えながら作ってたのか』と思いながら興味深く読みましたけどね」

Q. 本作はアチコさんやカシーフさんの参加でグッとバンド感を強めたアルバムになっていますね。

鴨田「うんうん。それもかなり新鮮だった。これまで全部ひとりで作ってきたから。特にアチコさんにはボーカル指導してもらったり。初めてボーカルブース入って録音するケンヤ(K404)はディレクションしてもらってたよな」

Q. 具体的にどんな指導だったんでしょう?

アチコ「とにかくリラックスして歌ってもらいたかったんで……」

鴨田「ケンヤのコーラスのときは、ナーバスにならないよう、うまくいったときはとにかくちゃんと褒めてくれる。もうアチコさんめちゃめちゃ優しかった!」

K404「もう恐縮なんだよね、歌に心得のあるひとの前で歌うのとか。しかもボーカルブースって密閉されて、周りのひとがみんな見てるわけ」

Q. 完全にカゴのなかの鳥状態ですね。

K404「それで歌い終わって、向こう側でなんか喋ってるのが見えるの。もう絶対悪口言われてると」

Q. 被害妄想が強いですよ!

K404「あれはつらかった……。でもアチコさんはすごい褒めてくれんの」

アチコ「本当によかったんだもん。ケンヤくんは声がいいからね」



Q. カシーフさんは今回データでのやり取りのみでスタジオには参加していないんですよね?

カシーフ「そうですね。ほぼクリスタルくんとのやり取りのみで」

鴨田「そもそも(((さらうんど)))結成初期からクリスタルはカシーフくんに参加してもらいたいって言ってたんですよね。ポップスにもダンス・ミュージックにも理解が深くて、作曲もできるということで。アルバムに入ってる“夜のライン”は最初期の楽曲なんだけど、カシーフくんに渡したらギターはもちろん、ベースとかコーラスも入れてきてくれたんだよね。結局、ベースもそのままカシーフくんのを採用して。やる気が伝わってきたね、あれは」

K404「“冬の刹那”でもベース弾いてもらったんだけど、かなりぶちかましてたよね」

鴨田「かなりベースが前に出てたんですよ。ギターかってくらい主張の強いベースだった」

Q. ハハハ!

アチコ「本当に反省会みたくなってますねぇ。フフフ」

Q. ではアチコさんが本作に参加する経緯は?

鴨田「当初から女性のコーラスを入れたいねって話をしてて。自分の声みたく鋭角な響きのボーカルだと方向性が一方向に向いてしまうから違うタイプの人がいいなあと思っていて。そのタイミングでアチコさんが当時やってたKARENってバンドの音源、それにリョウ・アライさんの『R+NAAAA』ってアルバムで彼女が客演してる曲を聴いて、色々なタイプの曲調にもうまくハマる歌い方してるなと思って声を掛けさせてもらったんです。それで高橋健太郎さんのスタジオで“サマータイマー”をレコーディングするときに来てもらって」

Q. それまでに面識はなかったんですか?

鴨田「あったんだけど、しっかり話したりするのは初めてでしたね。で、クリスタルとは何か楽器できる人がいれば演奏とコーラス両方お願いできるからそれもいいよねって話してて。会う前からすごいベタな先入観でアチコさんがピアノ弾けると勝手に思ってて。それでアチコさんと話ししてるときに(((さらうんど)))の事とは前置きせずにそれとなくギターとかピアノとか楽器演奏したりされるんですか? って聞いてみたら“わたし、なんにも楽器できないです!”って返ってきて(笑)。そうか! “楽器もコーラスも”の案の楽器の方、消えたな! って(笑)」

アチコ「そうだ、それはよく覚えてる(笑)。ライブとかで小っちゃいキーボードとかは弾くんですけど、そこまでの腕前はないんで」

鴨田「それにアチコさんは音楽やってる人のあいだで知り合いが多いんですよ」

K404「そうそう。俺は(((さらうんど)))で初めて会ったんだけど、バンド界隈で共通の知り合いも結構いて。あとね、実はみんな俺の1個歳上なんですよ。鴨田さんとクリスタルとアチコさんとカシーフくんは同い年。だから、バンド内でヒエラルキーが生まれる」

鴨田「ないない! 今日は自虐的よね(笑)。でも一応リーダーなんで引っ張っていかなきゃとは思って意見は言いますけど。曲作りに関してはクリスタルとよくやりとりしてたんですけど、ライブに関してはケンヤとよく相談しながら詰めていってますね」



Q. とはいえ、話を聞いてるとすごくバンドっぽいですよね。ほかにもバンドらしいエモーショナルなエピソードは?

鴨田「エモーショナルといえばカシーフくんでしょう。すごい熱の込もった長文のメールもらった事ある」

K404「アルバム制作が全部終わったあとのメールとかもいちばん早かったもんね。本当は俺らが送らなきゃいけないんだけど」

Q. (((さらうんど)))のエモーショナルな面はカシーフさんが一手に担ってると。

K404「あとアチコさんはかなり昔からカシーフくんのこと知ってるんでしょ」

アチコ「そうなんですよ。10年くらい前かなぁ?」

カシーフ「最近復活したんだけど、当時アチコさんがボーカルをしていたon button downってバンドのローディーをやらしてもらってたんですよ。今日はちゃんとon button downのTシャツを着てきましたからね」

アチコ「当時はカシーフじゃなくてオニって呼ばれてたんですよ。鬼のような早弾きをするからオニ。フフフ」

K404「いやぁ、それが10年経って一緒にバンドやるっていうのは奇跡的だよね」

カシーフ「だから本当に感慨深いんですよ。ぼくにとってはアチコさんは大先輩ですから」

鴨田「今回のメンバーでいちばん最初にCDリリースしたことあるのってアチコさんですよね。しかも最初に出したその音源はドゥーワップのグループだってたっていう。だから今回もボーカル指導からコーラスのハモりまで、すごい勉強になりましたね」

アチコ「いやいや……」

Q. 鴨田さんのボーカルに関してもこれまでのラップものとはもちろん違うし、弾き語りのときの歌唱ともタイプが違ったものですよね。これにはかなり習作を重ねましたか?

鴨田「そうですね。より(((さらうんど)))の音楽性にあわせた歌い方になってると思います。ライブに向けてケンヤと2人でコーラスの練習とかもしたよな」

K404「いやぁ、コーラスは難しいよ。生半可な気持ちで臨んじゃいけないね。練習しますよ……。あっ、ライブといえばさぁ、鴨田さんに前から訊きたかったんだけど。鴨田さん、MCのときにクリスタルに話を振りたがるじゃん? あれはなんで? 完全にムチャ振りでしょ」

鴨田「いや、バンドメンバーに話しかけるって普通でしょ! それにみんな喋れるようにしたほうがいいでしょ!」

K404「しごき?」

鴨田「違うって! 慣れてもらわないと喋れないでしょ!」

K404「そっか。じゃあ……ありがとう」

Q. フフフ……。

K404「学生バンドみたいでしょ?」

アチコ「青春だねぇ」

K404「そうそう。俺、いますごい青春してる」



Q. おっ、思わぬ青春発言が出たところで6月のリリース・パーティーに関しても訊かせてください。

鴨田「まずは歌詞を覚えないと。あとは“夜のライン”は振り付けもあるから練習しないとね」

K404「あれ、本当にやるんだ」

アチコ「楽しそう!」

カシーフ「それ、ぼくも?」

鴨田「いや、踊ってたらギター弾けないでしょ!」

Q. ハハハ!

鴨田「入場者特典用に新曲も作ってるから披露できればいいなと思ってますけどね」

K404「多分、(((さらうんど)))のライブを初めて観るひとも多いと思うんだよね。これまで地方も含めて4回くらいしかやってないし。だから……頑張りますよ」

鴨田「最後のがめっちゃ声小さくなってる! 頑張りましょう!」

K404「いや、もちろん。頑張って練習しますよ」





KAKUBARHYTHM & UNIT presents
(((さらうんど))) 1st Album RELEASE PARTY"(((みっどないと)))"

2012.06.15(fri) at UNIT
OPEN : 24:00

LIVE :
(((さらうんど)))
cero
LUVRAW & BTB
DORIAN

DJ :
クボタタケシ
やけのはら


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