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角張渉(カクバリズム) × 増田 "takeyan" 岳哉 (SUMMIT)
INTERVIEW


6月30日、代官山ユニットで開催される新パーティー<YARIGASAKI MOST WANTED>。ライブ・アクトに新進気鋭のヤングガンや日本語ラップ界のリビング・レジェンズを迎え、さらには凄腕DJ陣によるプレイも楽しめるというビッグ・パーティーのローンチを祝し、出演を予定しているパンピーとチェリー・ブラウンによる座談会が執り行われた。この日の対談テーマはずばり“ライブ”。国産ヒップホップ次世代を担う2人はどのように“ライブ”を考え、クラウドをロックするのか。本稿を枕元に、もうすぐやってくる<YARIGASAKI MOST WANTED>、震えて待つべし!
(TEXT:YMW POSSE)



Q. 最近のヒップホップ・ライブでは<Coachella 2012>での2パック登場が大きなトピックでしたよね。仕掛け自体はすごく古典的な、手品の延長みたいなもんだったみたいですけど。

PUNPEE「でも、ああいうのはいい意味でアホっぽいというか、やりすぎというか、すごくヒップホップ的だよね」

Q. たしかに。音源はもちろんそうですが、ライブの演出やパフォーマンスってヒップホップの要素としてすごく重要ですよね。なので、今回の対談では2人にお気に入りのライブ映像を持ち寄ってもらって、それを観賞しながらライブにフォーカスした話をしていただこうかなと。まずはチェリーくんからいきましょうか。

Cherry Brown「まずリル・Bのライブっすね。なんか宗教みたいなんすよ。それくらい盛り上がってて。サンタバーバラでのライブだっけな?」

【LIL B RARE PRIVATE SHOW IN SANTA BARBRA】

Q. ウェアハウス・パーティーですかね?

Cherry Brown「だと思いますね。そこまで大きい場所じゃないんだろうけど、まず来てるファンの熱狂ぶりが」

Q. 試行を凝らした、いわゆる“ヒップホップ・ショー”とは真逆の……。

Cherry Brown「めちゃめちゃシンプルなステージっすよね。むしろ小汚いくらいの……。でも扱いはアイドル級で、みんなリリック覚えて被せてくるっていう。完全に野郎ばっかっすけど」

Q. ハハハ!

Cherry Brown「あとは最近<4AD>と契約したスペースゴーストパープかなぁ。なんかすごい場所でライブしてて」

【SPACEGHOSTPURRP - I BEEN FWEAGO – COMMUNITY 54】


Cherry Brown「あ、これっすね。野外なんだけど、路地裏みたいなとこでやってて」
PUNPEE「絵面もすごいカッコいいなぁ」

Q. 日本でもこういう変わった場所のパーティーがあったらおもしろいんですけどねぇ。ではパンピーくんもお願いします。

PUNPEE「これ、カッコいいライブとかじゃないんだけど、<Young Money>のラッパーでガダガダって読むのかな? ソイツが下げてるチェーン取られちゃう映像知らない?」

【GUDDA GUDDA Gets His Chain Snatched】


PUNPEE「これは完全にハプニング系の映像っすね。しかもチェーン取られて、すごいスピードで盗んだヤツを追っかけてくガダガダが見れるっていう」

Q. 完全にマニア向けの映像ですね。

PUNPEE「あ、ここ(映像では4分57秒あたり)!」

Cherry Brown「ハハハ!」

Q. 後日談が気になりますねぇ……。ほかにもありますか?

PUNPEE「こないだジブさんに教えてもらったんだけど、『Yo! MTV Raps』で放送されたリーダーズ・オブ・ザ・ニュースクールのスタジオ・ライブがカッコよくて」

【Leaders Of The Newschool – Int. Zone Coaster (LIVE)】


PUNPEE「若いころのバスタ・ライムスが細身で芸人みたいな格好してて、さらにメチャメチャ動くからウケるんだけどさ。でも、こういうエンターテイメントを全面に押し出す感じって最近なかったなぁと思って」

Q. それにしても……見事にバスタしか目立ってない!

PUNPEE「たしかに。ほかのMCのヴァースでも関係ないっていう。あ、あともうひとつ挙げていい? 同じ『Yo! MTV Raps』のレッドマンのライブなんだけど」

【Redman – Blow Your Mind (LIVE)】


PUNPEE「これは単純にカッコいい。あと、スタジオのセットがあるのもいい。普通にステージから始まらなくて上から登場、みたいな。これ観るとなぜか石橋貴明を思い出すんだよなぁ」

Q. あぁ、たしかに昔のとんねるずの番組は変な場所から登場するってイメージありますね。ハラハラさせる感じも含めて。

PUNPEE「あ、いま思い出したんだけど、前に<BET Awards>でやったビッグ・ダディ・ケインのトリビュート・ライブもすごい記憶に残ってるんだよね」

【Big Daddy Kane Hip Hop Honors】


PUNPEE「バンド・スタイルでT.I.とかコモンが最初にクラシックをカバーして、最後に本人が登場するんだけど。ニクい演出っすよね」

Q. ここまで挙げてもらった映像とか、USのアーティストのパフォーマンスから自分のライブにフィードバックするような要素ってありますか?

PUNPEE「東京以外で自分ひとりでDJするときってライブも織り交ぜた構成でやるんだけど、自分の曲以外にスラックの曲をやったりもしてて。それはUSのラッパーが来日したときに割と好き勝手に自分以外の曲をやってるのを観て“これでいいんだ”と思ったからっすね。まぁ、もちろん弟はあんまいい顔しないですけど」

Q. ハハハ!

Cherry Brown「うーん……俺はUSのラッパーで影響受けたとかはないかなぁ、ライブに関しては。でもオッド・フューチャーとかみたいに客席にダイブしたいなってのは思ってますよ」

Q. ちなみに自分のいちばん最初のライブって覚えてます?

Cherry Brown「あぁ、覚えてる。横須賀のクラブで、ソロで10分くらいのライブで。とりあえず首からゲームボーイ下げてたっすね。高校3年くらいかな。とりあえず目立とうと思って」

Q. 当時と現在のパフォーマンスの違いはどこでしょう。

Cherry Brown「やっぱ声量とかじゃないっすか? そこらへんは場数踏めば鍛えられてくるし」

PUNPEE「まぁ、最初のライブでいい思い出残せるひとなんていないよ。当時は集客のノルマとかもあったし、100%ライブを楽しめる余裕なんてなかったっすからね。俺、はじめてライブやったとき、クラブにCDJがなくって、トラックをMDで流してたって記憶はある。二子多摩川にあった<pink noise>ってクラブだわ。スラックとガッパーと当時はもうひとりいて、俺の4人」

Q. 2人ともソロでもグループでも活動してますが、やっぱりチャンネルは違いますか?

Cherry Brown「違うっすね。やっぱりグループ(ジャック・ラビッツ)のライブのほうが余裕あるっていうか」

Q. 単純にソロだとリリックをしっかり覚えられるかっていう問題もありますね。

Cherry Brown「ありますねぇ……。暗記が苦手だから歌詞忘れることもけっこう……。もう忘れたときは開き直って即興でやるっすね」

Q. リリックを忘れちゃう以外にも、ライブならではのハプニングはありましたか?

Cherry Brown「ハプニングはあるっすよね。前に沖縄でライブしたときに、イカつめのヤツがお店のセキュリティーと殴りあいのケンカ始めちゃって。ライブの最中だったんだけど、お客さんもケンカのほうに注目して、全然観てくれないっていう。あれはカオスだった……」

Q. 苦い経験がどんどん出てきそうなので、ここらへんにしときましょうか……。ライブの構成については事前にかなり練るタイプですか?

PUNPEE「PSGでライブやるときはかなりラフっすね。むしろ練らないほうがうまくいくっぽい。ビースティー・ボーイズとかもラフじゃん。ああいう感じが好きだし、そっちのほうがライブしてて楽しいよね」

Q. なるほど。では、ヒップホップにおける“いいライブ”の基準はどういった部分だと思いますか?

PUNPEE「簡単そうで難しい議題だよね。CDの音源をそのまま再現されてもライブとしてはおもしろくないもんなぁ。偶然生まれちゃったもののほうが絶対おもしろい」

Cherry Brown「その偶然も狙ってできるもんじゃないからライブは楽しいんでしょうね。あとはお客さんとの一体感っすよね」

Q. 日本のアーティストでいま挙げたような“いいライブ”の条件を満たしてるアーティストって思い浮かびますか?

PUNPEE「俺は……これはもうめちゃくちゃベタだけど<さんピンCAMP>のときのリノさんのライブかな。もう鉄板。あれはリノさん個人のカッコよさが滲み出ちゃってるライブだと思う」

Cherry Brown「俺はももクロっすね。お客さんとの一体感もすごいし、エンターテイメントとしてすごいクオリティーじゃないですか。自分のライブではあんまりコール&レスポンスってしないけど、ももクロのライブを観ると自分もしたほうがいいのかなぁって思うっす」

Q. さて、さんざんライブの話をして読者のハードルも上がったところで、6月30日の<YARIGASAKI MOST WANTED>に対する意気込みを伺おうかなと思います。

Cherry Brown「精一杯、マイペースにがんばろうと思い……俺、めちゃめちゃ普通のこと言ってますけど大丈夫っすか?」

Q. ハハハ。前に某所で観たチェリーくんのライブでは新曲も披露してましたが、今回も期待してていいんでしょうか?

Cherry Brown「そうっすね。リリックをがんばって覚えます!」

Q. パンピーくんはDJでの出演ですが。

PUNPEE「前にDJで出たのが5ヶ月前のカウントダウン・パーティーだったんだけど、実は自分的にもうすこしな感じだったので、今回でリベンジしようかなと」

Q. 今回はありがとうございました。当日のライブとDJ、楽しみにしてます! で、締めようと思ってたんですが、パンピーくんはほかにも映像を持ってきてくれてるんですよね?

PUNPEE「そうそう。これなんだけど」

【James Brown 1982】


PUNPEE「これを見て、やっぱり昔のブラック・ミュージックのライブの熱量って凄いなぁ、って思った。マディ・ウォーターズとかハウリン・ウルフなんかもそう。ジェームス・ブラウンは結局1度もライブ観れなかったんだけど、<FUJI ROCK FESTIVAL>にブーツィー・コリンズが来たときにJBのそっくりさんが出てきて、そっくりさんなのに圧倒されちゃってさ。そう思うと本物はもっとすごかったんだろうなと」

Q. お、コーンのライブもありますね。

【Korn – The Encounter】


PUNPEE「これも家で映画感覚で見る動画。ミステリーサークルとか作っちゃったりする感覚とか、もう完全にUSの感覚っていうか。この人たちの音楽って決して一般受けするようなもんじゃないと思うんだけど、それでも世界中のフェスとかでトリとか務めるわけでしょ? すごいよね。もう中学のころからすげーファンで。あと時期的にもコレは挙げとかないとと思って……」

【Beastie Boys – Check It Out – Live on The Late Show With David Letterman】

Q. これははじめて見たっすね。魚眼レンズもいい味出してるなぁ。

PUNPEE「デヴィッド・レターマンのTVショーのときのライブ。コレ、どうやって撮ったんだろう? たぶん最初の外の映像は別の日に撮ったんじゃないかなって勝手に思ってるけど。でも、そう思って見るとスタジオに来たときのMCAが勢いよく飛び出しててシュールだよね」

Cherry Brown「ハハハ!」

【Gary Wilson – Linda Wants to Be Alone】


PUNPEE「これはもう……不快になるのを通り越してカッコいい! ダッチワイフをキーボードに押し付けて音を出すのもこのひとが最初で最後でしょ。でも、一番驚いたのはゲイリー・ウィルソンのCDが親父のCDラックにあったことかな」

Q. フフフ……。

PUNPEE「あとはこれかなぁ」

【Frank Ocean Coachella 2012】

Q. <Coachella 2012>でのライブ映像ですね。

PUNPEE「こんなにメロウなのにすごい盛り上がって踊ってて最高だなぁと思って。この前もガッパーのライブですごい踊りまくってたんだけど、すげー楽しかったし気持ちよかったんだよね。なんか腕組みしながら品定めみたくみるのもいいけど、そっちのほうが単純に楽しいと思った。そんな感じ。」

この後もドーナツを食べながら(ここで“チェリー・ブラウンはチョコが苦手”という新事実が発覚したのだが、これはまたどこかで……)の動画サイト・サーフィン放談は延々続いたのであった……





2012.06.30(sat) at UNIT & SALOON
OPEN:23:00

YARIGASAKI MOST WANTED
supported by STUSSY

LINE UP:

(A to Z)
LIVE :
CHERRY BROWN
サイプレス上野とロベルト吉野
スチャダラパー
SIMI LAB

DJ :
BACK TO SCHOOL (SHINGOSTAR & YO!HEY!!)
DJ STYLISH a.k.a 鎮座DOPENESS
PUNPEE
YO!HEY!!

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